Episode 11 ~デジョン3の意味~
広大なヴァナディールの移動に欠かせない黒魔法デジョン。
私自信も今まで数え切れない程この魔法のお世話になってきた。
正式な黒魔法として使用されているデジョン・デジョン2だけでなく、
自殺行為による強制帰還法のデジョン4・「通称死デジョン」
と言った型破りな物まで存在する。
黒魔導士の資格をなくしてしまった私にとってデジョン4は必須の移動法であり
最近では「D4で戻るよ~♪」はキメ台詞の用に発する言葉となっている。
しかし私にはずっと疑問に思っている事があった。
デジョン3ってあるのだろうか?あるとすればどんな物なのだろうか?
遠くの場所から自分を一瞬でHPに飛ばす、喜びのデジョン⇒D1
移動手段のない仲間をHPまで送り届ける、優しさのデジョン⇒D2
自己犠牲により強制的にHPへ帰還させる、悲しみのデジョン⇒D4
ではD3とは???考えても分からない。いや、存在すらしないのかもしれない。
そんなある日だった。。。
ザイドと名乗る剛の者から我が騎士団に挑戦状が叩きつけられた。
早速私はメンバと共に彼の待つズヴァール城へ向かった。
雪原を抜け、複雑な迷路のような城内をくぐり抜け、ようやく辿り着いた王の間。
長きにわたるミッションコンプリートまであと少し。
共に戦いミッションをこなして来たメンバ達にも込み上げてくるものがあっただろう。
私「じゃ、準備したら行こうか。最後の戦いへw」
皆「らじゃ~!!」
既にHP満タン状態で手持ち無沙汰だったパルセットが付近を走り回っていた。
その時だった。画面にこんなログが。
【パルセットはデジョンカジェルを使用した】
【デジョンカジェルの効果は発動しなかった】
また人をからかって遊んでるな。最終決戦の前だと言うのにこの男は。。。。
【パルセットはデジョンカジェルを使用した】
【デジョンカジェルの効果は発動しなかった】
【パルセットはデジョンカジェルを使用した】
【デジョンカジェルの効果が発動した】
皆「え????!」
パ「うぉ!!なんだそりゃ!!!走ってたのにキャンセルしなかったぞ!!」
皆「うはwwウケルwwww」
この瞬間、彼はD3の先駆者となった。D3それは自己犠牲による「笑いのデジョン」。
この後彼が30分かけて、HPから王の間まで一人で戻ってきたのは言うまでもないだろう。
~つづく(のか?)~
~第2章へ戻る~