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mandora
第1章【ヴァナディールに生まれし、伝説の垢惑う士】

Episode 1 ~Bloodヴァナディールに降り立つ!!~

新年の飾り付けでいつもより華やかなバスゥークに俺は到着した。
冒険者になる事を志してやってきたはいいが・・・・・広い。
広杉だ!!しかもなんで地図が全部英語なんだ!!
ここが港区であり、ほとんどの店や競売が違うエリアにある事を理解するのに丸2日・・

「まずは・・・装備とポーション1,2個くらいは買ってレベルでも上げてみるか。」
手近な武器屋を見つけ「要領はわかっているさ」そう心で呟き店に入る俺。

5分後・・・・俺は海を見ていた。どうやら来る国を間違えたらしい。
もっと物価が安い国がきっとあるはずだ。俺はバストゥークから離れ、
貧しそうな町へ出かけようと決めた。

ん?そういえば・・・優待券とかいうのを門番がくれたな。何か支給品を貰えるらしい。
「とりあえずもらえる物はもらっとくか。安い剣くらいは買えるお金がもらえるだろうし」
俺はガイドを探して商業区を歩き回った。

5分後・・・・俺は海を見ていた。どうやら来る国を間違えたらしい。
殴り倒したガイドの周りで人だかりが出来ている。イカン。とりあえず外に出よう。
俺は小銭を握り締め、港区から北グスタベルグへと旅立った。

~つづく~


Episode 2 ~Hey!! Tokyo Boy!!~

風の吹く荒野に俺は立っていた。ここはバストゥークから北グスタベルグへの門の前。
いよいよ「戦闘」を体験する事に少し緊張していた。
付近にはハチが数匹ただよっている・・・迷っていても始まらない!!いっちょやるか!
私は手近なハチに突進した・・・

一時間後・・・いける、いけるぞ!全然余裕じゃないか。私は順調に経験を積んでいった。
少し調子に乗っていたので、私は徐々にバスから離れ、より強いモンスタに挑んでいた。
しばしの休憩をとっている時、不意に後ろから唸り声が聞こえた。後ろを振り返ると・・・
そこには亀が立っていた。「何だコイツは」私は剣を構え戦闘体制に入るが・・・強い!
すざましい強さだ。全身血だらけになりもうダメだと思ったその時・・・
私の体が光に包まれる。同時に傷が癒えていた。これなら勝てるかもしれない!!

必死の思いで亀を倒した私の体が再び光に包まれる。ふと横を見ると一人の男が私に
ケアルという呪文をかけている。同時に私の傷も癒えている
「そうか、私を助けてくれたんだな」。私は彼にお礼を述べたが反応がない????
すると彼は異国の言葉「いんぐりっしゅ」で私に語りかけてくるではないか!!
なるほど異人さんか。そういえば、街でも店や警備の人以外私の母国語を話している人
はいなかったかもしれない。。。もしやほとんどの冒険者は異人さんなのか!!
多少の知識があったので、しばし彼と「いんぐりっしゅ」で会話をする事にした。

10分後、彼が白魔道士であり私と同じく冒険者として初心者である事を知った。
彼曰く、私が彼にとって始めて出会った異人であるのでとても興味があるらしい。
「そうか、私の母国から来た冒険者はきっと少ないんだな・・・この先相当苦労しそうだなぁ」
私は少し不安になった。
そんな私に彼は「大丈夫さ!こうやって僕たちも仲良くなれたじゃないか。
きっとこの先もたくさんの友達ができるよ」そんな彼の言葉に少し感動した。
気づけば私たちはお互いを自然にニックネームで呼び合っていた。
彼「じゃあね!Tokyo Boy!!」
俺「元気でな!Mr USA!!」(もうちょっとマシな呼び方はなかったのだろうか)
だが私達はまだ知らない。この先お互い何百人の東京男やアメリカ氏達と出会うかを・・
私は良き出会いに感謝しながら、当初の目的である「物価の安い国」を目指して旅立った

~つづく~


Episode 3 ~あと一歩・・・・~

寝坊気味な俺が今日はなぜか早起きしていた。いや、起きたのではなく寝れなかったのだ。
なぜなら今日は特別な日・・そう、バストゥークを離れ新たな街へと旅立つ日なのである。
街にいる冒険者達の会話を盗み聞きした所、セルビナという街がかなりさびれているらしい。
「さびれている」=「住人がみんな貧乏」=「物価が安い」という図式が成り立つ訳だ。
そんな訳で私は商業区の門をくぐり、南グスタへ降り立った。

旅は順調に進んでいた。それもそのはず、経験を積みすっかり強くなった私にとって
もうグスタベルグ付近では敵などいないはずなのだから。
しばし後、ついにコンシュタット高地へと辿りついた・・・やった!てか余裕じゃないか。
この高地を抜ければ噂に聞いたバルクルム砂丘に行けるはず、そこにセルビナがあるそうだ。
ざっと付近にいるトカゲを見るところ、それ程強さに差はないようだ。
下手に戦わなければさほど危険はないだろう・・・

花や風車などが醸し出すのどかな景色に癒されながら歩を進めていく。良い場所だ。
いかんせん土地の起伏が激しく、方角を見失いやすいのが玉に傷だが・・・
何度も地図を見直し、行ったり来たりを繰り返しているとすっかり辺りは暗くなっていた。
更に地図を見ながら歩いていたので崖に気づかず転がり落ちてしまう。
そして目の前に現れた物体に驚かされる!!「なんだ・・羊かよ」安堵に胸を撫で下ろす私。
が、後ろに明かりがあるのに気づき振りむくとそこには・・・・・
焚き火を囲む一団がいた。ってこれはゴブリンじゃねーか!!私は一気にその場を逃げ出した。

地図を見ながら砂丘への出口へ必死に走る。途中「ゥゴっ」という妙な音が数回聞こえた。
「いける!もうちょっとだ!」砂丘のまぶしい日差しが脳裏に浮かぶ。
後ろから激しいプレッシャーを感じ一瞬振り返ると・・ゴブ様に亀様が・・・しかも5匹!!!
一瞬で魔法3発と股間に弓矢が飛んできた。瀕死の状態で再び走りだすと目の前に白い山???
その山は確かに動いていた。いや、山じゃなくてとても大きな羊さんじゃありませんか!!!
だが、羊のすぐ後ろには砂丘への出口が見える・・・
神に祈りながら全力で羊の横を駆け抜ける!そして前方に砂丘の眩しい光が・・・

俺は風に吹かれていた。バストゥークの潮風と違い、暑い砂交じりの風だ。
そう、ここはバルクルム砂丘。ついにここまで来たのだ。達成感に包まれていたが何か虚しい。
だって・・・死んでるんだもん俺。叫ぶ事すら出来ない状態で行き倒れている私・・・
ふと横を見ると人影が、一つ、また一つ増えていく。不思議な事に彼らも私と同じように
みんな行き倒れている。そして血だらけの状態で駆け込んで来た冒険者がこう叫んだ。
「誰だ!入り口に化け物ワンサカ連れて来たのは!!」次の瞬間私はバストゥークに戻っていた。

~つづく~


Episode 4 ~サブリガって何ですか?~

あの忌まわしいトレイン疑惑事件から3日後、俺は相変わらずバストゥークをブラついていた。
通りすがりの旅人にセルビナへの安全な行き方を聞いてみたが、みんな口を揃えてこういった
「上級者に手伝ってもらったら?LSのメンバに頼んでみなよ。」
LS??・・・あの街中で時々みかける「玉もって一人で話してる奴等」が持ってるヤツか?
つってもどうやって入るんだろ?しかも相変わらず異人さんしか知合いがいないからなぁ・・
そんな時私の耳に入ってきた誰かのシャウト。

「LSメンバ募集中ですw初心者さんも大歓迎♪」キタ!!まさにこれだ!!
喜びと不安で一杯になりながらも彼に話かける。「ホントに初心者なんですがいいですか?」
男はサラっとこう言った。「いいよ♪はいこれ付けてみて」そして私に玉(パール)を手渡す。
パールを身につけた瞬間、私の頭に会話が流れ込んでくる。
「こんにちは♪」「初めまして♪」いきなり複数の人間から自己紹介されとまどってしまう。
「私は一応リダやってるTですw今後ともよろしく」その後男は簡単なLSの説明をしてくれた。
その瞬間、私は夢にまでみた母国語の通じる友人が一気に出来た喜びに満たされていた。
しかしこの時の私はまだ知らない。この後、自分にとって運命の瞬間が訪れる事を・・・

暫しの間、私はT様の横で会話を楽しみながら、勧誘を見ていた。すると・・・
「う~ん。やっぱこの組合せが一番かなぁ」と呟きながら彼が着替をしているではないか。
この瞬間サンダガに打たれたかのような衝撃を受ける。それは正にカルチャーショックだった。
なぜなら彼は、私が今までに見た事もないような装備に着替えていたのだ。いや、装備なのか??
シックなローブに「鉄の股間」。これは・・下着なのか??剥き出しの太腿がまぶしい。
「それ・・なんですか??」私は彼の股間を指差して聞いてみた。
「ん?ああサブリガだよ♪」笑顔で彼は答えた。サブリガ・・なんて神秘的な響きだろう。

五分後・・俺は商業区で潮風に吹かれていた。卸したてのサブリガを履いてT様と共に。
通りすがりの旅人達が囁き合っている「ねぇ見て、サブリメンだよ」
正にこの時、生涯付合って行く事になる自分の別名を知る。「サブリメンか・・悪くないなw」

~第2章「ヴァナの中心でサブリガが叫ぶ」につづく~


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